過去のお知らせ

生態影響に関する化学物質審査規制/試験法セミナー(平成23年度)について

 2012年3月5日(月)東京(津田ホール)に於いて生態影響に関するセミナーが環境省と(独)国立環境研究所の主催により開催された。
当該セミナーはこれまで毎年度開催されていたが、昨年は東日本大震災等の関係で中止となっていた。
参加者数は、これまでに比べて若干少なくなってはいたが、参加者は演者の方々の話を熱心に聞き入っていた。

第1部「化学物質審査規制に関する国内外の動向」では、以下の2講演が行われた。

1. 「改正化審法におけるスクリーニング評価・リスク評価について」
  (環境省 化学物質審査室)
 

 スクリーニング評価方法についての具体的説明があり、新たに設置された優先評価化学物質については、計88物質が選定されたこと、追加指定についても現在作業が進行中であることが報告された。また、優先評価物質指定後の手順として、段階的に進められていくリスク評価についての説明がなされた。

2. 「化学物質規制の最新国際動向」
  ((一財) 化学物質評価研究機構 宮地 繁樹 氏)
 

 現在、持続可能な開発に関する世界首脳会議の2020年目標にむけて、諸外国においては、化学物質管理規制の改革が行われている。OECDではテストガイドラインの改訂、QSAR Toolboxの開発等、欧州ではREACHに基づき高懸念物質や認可対象物質の選定が進められている。また、中国の法改正の動き、韓国がK-REACH制度の導入の検討中であること、米国ではTSCA改正の議論がなされていること等も報告された。

第2部「生態毒性試験及び生態毒性QSARに関する事項」では、以下の2講演が行われた。

3. 「生態毒性試験実施に当たっての留意点について」
  ((独) 国立環境研究所環境リスク研究センター 菅谷 芳雄 氏)
 

 Q&Aによる具体的事例に関する説明がなされ、続いて揮発性物質の藻類試験について四塩化炭素のTG201試験を基に試験手順の説明がなされた。

4. 独立財団法人 医薬品医療機器総合機構について
  (医薬品医療機器総合機構 理事 内海 英雄 氏)
 

 生態毒性予測システムKATEの概要、毒性予測方法、判定方法、特別なクラス(Neutral Organics)等についての説明があり、既存化学物質の魚類、甲殻類におけるKATEによる予測結果が報告された。今後、予測精度の更なる向上、藻類QSARの開発などが検討中の課題となっている。

(2012年3月5日(月)開催の平成23年度生態影響に関する化学物質審査規制/試験法セミナーより)

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