過去のお知らせ

改正化審法説明会(第2回)について
2010年9月15日、さいたま新都心合同庁舎1号館にて改正化審法(第2回)の説明会が開催された。
定員250名の会場はほぼ満席で関心の高さがうかがわれた。講演は2名であったが大変内容の充実した説明かいであった。
どちらの発表内容も、改正化審法についての概要、改正された点についての説明がなされ、今までの評価法(ハザードベースの評価法)からリスク評価に変わったことを強調していた。
リスク評価では暴露量も重要な要素になるので、サプライチェーンの連携を強めるよう、お願いがあった。(暴露量の評価では使用用途での排出係数と、製造量が関連してくるため、製造された化学物質がどのような使われ方をしているのか、届出を行う製造元が確認することが必要になっている。)
講演内容は以下のとおりであった。

1.改正化審法について
 経済産業省 製造産業局 化学物質管理課  實國 氏

 今年度の改正のポイントを踏まえ、来年度の改正について説明がなされた。

<今年度改正のポイントから>
(1)良分解性物質の対象化
PRTRにおける情報から良分解性の既存化学物質より100物質が二監、三監に指定された(2010年04月)。
(2)低懸念ポリマーの事前確認制度の導入
構造と物化性状に基準を設けている。申し出は随時受付。製造輸入量の届出は不要で、制限もない。
(3)第一種特定化学物質に係る措置(エッセンシャルユースについて)
例外的使用を認める。政令で指定(PFOSは、ストックホルム条約で、廃止とともに限定使用を決定)。
PFOS使用の泡消火剤等については、在庫が多く取り換えまでの措置として別途基準を守れば使用可、HPにて型番の公表、保持者の確認(主に電力設備、大オフィスビルの駐車場等)、管理義務の遂行を行っていく予定。

<来年度改正のポイントから>
新規化学物質の届出について、データは民間企業が提出し、評価は省庁が行う。
評価は、リスクベースの管理となり、 スクリーニング評価とリスク評価の2つがある。
スクリーニング評価は、優先評価化学物質の絞り込み(STEP1)後、リスク評価は段階的(STEP2〜4)に行われる。
・STEP2:曝露量<有害性ならば、リスクは懸念されないとして絞り込む前にもどす。
・STEP3:有害性調査指示により長期毒性試験の実施。
・STEP4:リスクが低いと判断できない場合は、第2種特定化学物質として、製造・輸入数量の管理等による暴露管理が行われる。
これらのリスクベースの管理で用いる暴露量は、企業からの製造輸入数量と用途分類の届出から排出係数を用いて、環境排出量を推計する。
「優先評価化学物質」は、一般化学物質よりも用途分類が細分化され、製造輸入数量について製造場所や都道府県別の届出が必要となる。また、サプライチェーンによる情報伝達の努力義務が課せられる。
「届出不要物質」の考え方のなかで、先日公表した高分子化合物届出不要物質には、S48年以前のポリマーは含まれていない。これらの中から追加して2011年1月に再公表して、3月には正式決定する予定。
現在、届出不要として公表されている高分子化合物については、そのまま届出不要となる。
2011年4月の優先評価化学物質の指定は、第2種、第3種監視化学物質のみの予定。なお、評価内容、評価の程度等については現在「評価手法検討小委員会」で審議中であり、2011年1月の審議会で決定の予定。

2.改正化審法とリスク評価 〜届出物質の利用について
独立行政法人製品評価技術基盤機構 化学物質管理センター 宮坂氏

 改正化審法において、事業者から提出された製造・輸入数量、用途等の届出情報を用いて、省庁が評価を行うリスク評価の概要が説明された。
「情報提供は事業者が行い、評価は国が行う」といった化審法のリスク評価体系は、評価まですべて事業者が自主的に行うことを求めているREACHとの違いの1つである。
サプライチェーンでの、情報のみならず化学物質管理に取り組む意識の共有が重要とのことであった。
リスク評価では暴露量も重要な要素になるので、サプライチェーンの連携を強めるようお願いがあった。
(暴露量の評価では使用用途での排出係数と、製造量が関連してくるため、作成された化学物質がどのような使われ方を
しているのか、届出を行う製造元が確認することが必要になっている。)

3.改正化審法とリスク評価についての質疑応答 
改正化審法とリスク評価についての質疑応答では、「暴露の程度(排出量)と有害性の程度が『高』となる(=優先評価化学物質となる)組み合わせは具体的にどうなるのか」、「暴露量の決め方はどのようになるのか」など新設される優先評価化学物質について詳細な説明を求める質問があった。
また、「REACHと化審法の整合性」、「CAS番号と化審法対応物質の紐付けリストの公開」、「輸入時の開示されていないCAS番号の取り扱い」などについても質疑応答がなされた。さらに、「中間物の確認と届出について」、「白判定名称未公開の届出不要物質について」、「化審法における届出者について」等、届出に関する具体的な質疑応答があり、改正化審法に対する参加者の関心の高さが伺われた。

(2010年9月15日開催の改正化審法説明 -第2回-より)

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