日本における代替法試験の現況
近年、動物愛護の観点から実験動物を極力用いない試験(代替法試験と呼ばれ、例えば培養細胞を用いる細胞毒性試験や in vitro 皮膚感作性試験など直接動物を使用しない試験)の研究・開発評価が積極的に行われています。
昨年、わが国においても欧米のECVAM(EU)やICCVAM(USA)と同様の目的で日本代替法評価研究センター(JaCVAM)が設立され、行政的にも代替法の推進センターとして活動しています。
代替法試験は現在、化粧品関連企業や一部の製薬企業で積極的に研究されており、様々な試験法(h-CLAT法、LLNA法)について比較評価が実施されています。既に欧州ではOECDの技術ガイドラインとして採択されたもの(皮膚腐食性試験;OECDTG431や光毒性試験;TG432等)もあります。
安全性評価試験の遺伝毒性試験(変異原性試験)も代替法試験として認識され、中でもコメットアッセイ法(SCG法)はDNAに対する損傷の程度を様々な臓器細胞から簡便に評価できるのではと注目されています。また、わが国の経済産業省ではREACHの発令に対応するため、多数の実験動物と時間がかかる発がん性試験や催奇形成試験の簡便法として
in vitro 形質転換試験の代替法としての可能性について検討しています。 |